綺麗事である
全ては綺麗事である。
生きてればどうにかなるとか、
それは生きてれば言えることであり
「ダメ人間」と言える優秀な人がいて
そうでない人間は既にこの世にいないのだ。
煌びやかな世界が発する「綺麗事」ぐらい
不愉快なことはないのだ。
井戸の中に落ちて立ちすくむ人間に何もしない。
何も思わないだろう。
ある雑誌の背表紙に「難民に服を送ろう!」という
不可解な文字が踊っていた。
それよりも何かやることがあるのではないのか?
綺麗事は綺麗ではない。
どこかしら泥がつき顔にシミがついているのだ。
身体の中にある鏡に日光が当たっても
それは明後日の方向へ飛んで行く。
頭の高ぶりはすぐ火がつきすぐ消えるが
腹の怒りはくすぶりなかなか消えることがないのだ。
悪夢は現実と地続きに続いて行く。